そのひざの痛み、なくなるだけで大丈夫?

ひざの痛みを抑えることは大切 でも痛みがなくなるだけで本当にいいの?

例えば変形性ひざ関節症の場合、ひざの痛みがおさまると、病気そのものが治ったように感じてしまうことがあります。
サプリメントやサポーターなどの自己流の対処でひざの痛みがおさまったからといって、病院を受診していない方、また、病院へ受診し治療していてもひざの痛みがおさまると自己判断で病院へ行かなくなる方がいます。
しかし、これはひざの痛みだけがなくなっただけで、実際にはひざの病気が治っているわけではありません。
変形性ひざ関節症というひざの病気は、ひざ関節の軟骨がすり減り、痛みや炎症、関節の変形を伴いながら徐々に進行する慢性的な病気です。
また、現在の医療では一度すり減った軟骨を元に戻すことは残念ながらできません。そのため、ひざの痛みや炎症が治まったからといって、ひざに負担のかかる生活を続けていると、軟骨がすり減り、病気が進行する可能性があります。

軟骨のすり減りを抑える運動や薬物療法の継続が大切

さて、軟骨のすり減りを抑えるには、日常生活の中でひざにかかる負担を減らすことが大切です。そのためには以下のことが勧められます。

ひざに負担がかかる生活習慣や仕事の動作を改善する

肥満(気味)の方は減量する

ひざ関節周囲の筋肉を運動療法で鍛える

また、ヒアルロン酸を関節内に注射する薬物療法もあります。この治療法は、ひざの痛みや炎症を軽減すると同時に、軟骨の保護も期待できます。ただし、変形性ひざ関節症は徐々に進行する病気ですので、これらの治療法や生活習慣の改善を続けていくことが大切です。 変形性ひざ関節症の治療では、痛みの軽減はもちろんのこと、軟骨のすり減りの進行を抑えるとともに、痛みを悪化・再発させない対策も重要です。
自己対処でひざの痛みが取れたからといって安心せず、今ある軟骨を守り、運動療法や薬物療法など適切な治療を続けていきましょう。