よくあるご質問

みなさまから頂いた質問を「原因・症状(ひざの痛みに悩まれている方)」、「治療・対処(治療を受けておられる方)」、「運動・予防・そのほか(治療を受けておられる方)」の3つのカテゴリにわけて掲載しています。

  • 半年前からひざの痛みが再発。長時間起立後、ひざの裏側に痛みを感じます。対処法は。

    2年ほど前、右ひざ内側の痛みが続き、整形外科でレントゲンやMRIによる検査を受けたのですが、そのときは原因が特定できずに湿布で対応しました。しばらくすると痛みも取れて順調だったのですが、半年ほど前からまた右ひざが痛みはじめました。屈伸や正座をすると違和感があり、長時間立ち続けると右ひざの裏側だけに痛みを感じます。触った感じに左右の差はないと思うのですが、何か対処法はありますか。(45歳 女性)

    長時間起立後ひざの裏側が痛むこと、ひざを深く曲げた際に違和感があること、しかし触った感じひざ裏に腫れや異常なふくらみがないことから、筋肉の疲労や半月板の損傷、変形性ひざ関節症などによる痛みが考えられます。ひざの痛みの原因が2年前とは違う可能性もありますので、整形外科医師に相談することをお勧めします。

  • ひざの痛みはヒアルロン酸注射だけで治りますか。

    2か月ほど前から正座ができなくなり、立ち上がるときに痛みを感じます。整形外科を受診したら使い過ぎと言われました。水(関節液)を抜いてヒアルロン酸注射をしてもらったら少し楽になったような気がしましたが、このまま注射のみの治療で治るのでしょうか?(65歳 男性)

    相談者は変形性ひざ関節症の治療中と思いますが、ヒアルロン酸注射で症状が改善しているならば、ひざ周りの筋肉を鍛える運動療法を組み合わせてもよいでしょう。すり減った軟骨を元に戻すことは現在でも難しく、風邪のように完治はできません。そのため、治療ではひざの痛みや炎症を軽減し、軟骨のすり減りを抑えて病気の進行を遅らせ、日常生活での支障を減らすことが目標となります。

  • 以前、変形性ひざ関節症になりましたが治療で治りました。最近、歩き初めに違和感を感じますが、以前ならった運動で自然になおすことはできませんか。

    2〜3年前に変形性ひざ関節症になりましたが、水(関節液)を抜くなどの治療をしているうちに自然と治っていました。しかし、1〜2日前より水がたまり、歩き始めに違和感を感じるようになりました。以前習った運動などをして自然に治すことは可能でしょうか? 前回の治療の際も、最後の方にはまだ少し腫れも残っていたのですが自然に治り、その後2年ほどは変形性ひざ関節症は完全に治っていたような感じです。(57歳 女性)

    変形性ひざ関節症にかかると、治療や運動などによって痛みや症状が治まることはありますが、ひざなどの傷んでしまった軟骨は残念ながら元に戻りません。初期の段階であれば、ストレッチや運動などのトレーニングで症状が改善します。痛いときだけではなく、継続的に運動することがとても大切です。痛みが再発したのであれば、なるべく早くにかかりつけの整形外科医師に相談することをお勧めします。

  • ひざに骨棘があり、日によって痛みます。緩和法を教えてください。

    左右のひざの前部分に骨棘(こつきょく)があります。左右ともにひざの隙間はほとんど狭くなっていないので、サポーターも必要ないそうですが、日によって痛みます。この痛みの緩和法を教えてください。(65歳 女性)

    骨が変形してできた左右のひざの前部分に 骨棘(こつきょく)は、痛みの原因となることもあります。サポーターは痛みのあるときに使用すると、ひざを守ってあげるのに効果があります。痛みのないときには、ストレッチや筋肉を使うトレーニングを行うことが大切です。また、薬により痛みを緩和する方法としては、消炎鎮痛薬など痛みを抑える内服薬や湿布の使用、ヒアルロン酸を関節内に注射する方法があります。その他の方法としては、ひざの負担を軽減するサポーター、足底板、ひざ装具などを使用する方法などがあります。整形外科医師と相談のうえ、自分の症状に合った方法を選ぶとよいでしょう。

  • ひざに水(関節液)がたまり、水を抜くと楽になります。水を何回も抜いても大丈夫でしょうか。くせになりますか。

    左ひざに水がたまり、正座しにくくなり、水を抜くと楽になります。5〜6kmウォーキングした後に水がたまった感じになります。こういうときは何回でも水を抜いたほうがよいのでしょうか。くせになりますか。(78歳 男性)

    水を抜いても、またたまるのは原因となる炎症が改善していないためと考えられます。まず、治療としては炎症をとることが大切です。水は何回抜いてもくせになることはありませんので、つらいときには水を抜いてもらいましょう。

  • 定期的なヒアルロン酸注射でひざの痛みはなくなったが、時々腫れや違和感を覚える。どうすればよいでしょうか。

    数年前から左膝が痛く、昨年6月から整形外科に通院しています。初めは週に一度のヒアルロン酸注射、その後は2週間に一度の注射です。今は痛みはありませんが、時々腫れたり違和感があったりします。随分長くヒアルロン酸の注射をしていますがこんなものなのでしょうか。(48歳 女性)

    相談者は変形性ひざ関節症の治療中で、定期的なヒアルロン酸注射により痛みなどの症状は改善していると推察します。ひざに腫れや違和感が生じたときの状況やひざに大きな負担がかかる動作の有無などを主治医に伝え、対処法を相談するとよいでしょう。日常生活においてもひざへの負担を軽減する工夫をすれば、さらなる症状改善も期待できると思います。

監修 順天堂大学大学院医学研究科 整形外科・運動器医学 主任教授 石島旨章 先生