あなたの街のお医者さん

船橋整形外科病院は、ひざ、足、肩、肘の関節に障害をかかえた方を専門的に診療している病院です。プロのスポーツ選手から、関節の痛みに悩む一般の方まで、多くの患者さんが訪れています。今回は、ひざ関節、足関節疾患のスペシャリストで、これまで4000人以上の関節鏡視下手術を行っている、スポーツ医学センター長の土屋明弘先生にお話をうかがいました。

土屋 明弘先生
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土屋 明弘先生

運動を続けたいと願うニーズに応えて

船橋整形外科病院にはどんな患者さんが多いのですか?

外来総合受付
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外来総合受付

当院には、スポーツで関節を痛めたり、痛くて運動ができなくなったりした方が多く来院します。その中で私はひざ、足、股の関節を専門に診ており、再来も含めますと、約半数が変形性ひざ関節症の患者さんです。年齢に関係なくさまざまな方がいらっしゃいますが、最近は、活動的な方が多いようですね。痛いから運動をやめてしまおうというのではなく、何とか続けたいと希望される方が増えているように感じます。当院では、そんな患者さん一人ひとりの「こうありたい」というニーズに応えたいと考えています。

ひざの痛みで受診した患者さんには、どのような診療をするのですか?

まずは問診です。どこが痛いのか、いつから痛いのか、痛くなった原因が思い当たるかどうかを聞きます。また過去にけがをしたことがあるか、ひざを使う仕事をしているかどうかなども確認します。1ヵ月前にころんでからなのか、きっかけなく1年前から痛み続けているのかでは検査も治療も変わってきますので、よく思い出して答えていただきたいですね。
それから、押して痛いところ、ひざの動き、腫れ、ゆるみなどを診察し、レントゲンを撮ります。場合によってはMRIも撮って半月板や軟骨の状態を診断します。

痛みをとってからトレーニングで筋力を

変形性ひざ関節症の治療はどのように行っていますか?

今の痛みをとること、トレーニングで進行を予防することの二本立てが基本です。
痛みがあるとトレーニングもできませんから、痛み止めの薬の服用やヒアルロン酸を注射したり、変形が進んでいれば手術を行ったりします。大切なのは、ご本人が一番困っている部分を治すこと。MRIで異常が見られてもその部分の症状がなければ何もする必要はありません。症状と検査結果と診察の所見を考え合わせて、治療方針を決めます。

手術はどのようなことをするのですか?

いきなり人工関節にするようなことはありません。ひざに小さな穴をあけて関節鏡というカメラのついた器具を入れる「関節鏡視下手術」で、悪いところだけを処置します。1時間程度で終わり、日帰りも可能です。

体を動かすこと、体重を増やさないこと

トレーニングはどのようなことをするのですか?

リハビリ時に使用するトレーニングマシン
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リハビリ時に使用するトレーニングマシン

痛みをとったら、その状態を維持するために、筋力を高めるトレーニングを行います。当院には約100名の理学療法士がおり、患者さんに合わせたリハビリを行っています。3〜6週間のトレーニングでかなり違いが出てきます。ストレッチだけでも効果が出ますよ。

歩行練習のために1mおきに目印がつけられた廊下
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歩行練習のために1mおきに目印がつけられた廊下

同時に体重維持も指導しています。体重管理で大切なのは、運動せずに食事だけ減らすのは間違いということです。食事だけで体重を減らすと、筋肉が脂肪に変わって基礎代謝が落ち、食べると結局リバウンドします。運動によってしっかりした筋肉をつけることが先決です。歩くのはおすすめですよ。自分の体重をささえる大きな筋肉を使うのでひざによいのです。私も毎日歩いていますが、季節を感じながら歩くのは楽しいですよ。

早めの受診で進行を抑えて

ひざの痛みに悩んでいる方にメッセージをお願いします。

ひざの痛みで整形外科に行くと、すぐに「手術をされる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、そうではありません。例えば、風邪をこじらせて肺炎になると大変ですが、風邪のうちにきちんと治せば楽ですよね。ひざの痛みも同じです。早い時期に受診してきちんと治療やトレーニングを受ければ、手術をしなくても痛みをとり、進行を防ぐことができます。ひざの痛みで悩んでいる方は、ぜひ症状が悪化する前に受診してください。

施設概要

医療法人社団 紺整会 船橋整形外科病院
〒274-0822 千葉県船橋市飯山満町1-833
URL:http://www.fff.or.jp/seikei/

 

先生略歴
土屋 明弘先生

千葉大学医学部卒。
ハーバード大学留学。
千葉大学医学部整形外科講師を経て現職。2004年から2009年までJリーグ『柏レイソル』のチームドクターを務めた。