減量のための食事

痩せたいけど運動をするのが難しい! それなら、食生活で工夫を

変形性膝関節症の患者さんにとって、体重が重いことはひざへの負担増に繋がります。
そのため、今よりひざに負担がかからないように、体重には気をつけなければなりません。

しかし、ひざが痛いと頻繁に運動するのが難しいこともありますね。

運動が難しい場合は、体重のために日常的に気を付けるポイントのひとつとして、食生活を見直してみましょう。

人はどうして太るの? 脂肪が蓄えられるメカニズム

からだのエネルギーの多くは、口から摂取した糖質が源となっています。

糖質とは、ぶどう糖や果糖といった糖類、デンプン、デキストリンなどの総称で、お菓子や果物、ご飯やパンなどの炭水化物に多く含まれています。炭水化物とは、糖質と食物繊維が合わさった物質のことです。

摂取した糖質がエネルギーとして使い切れない場合、糖質は脂肪に変換されて体内に蓄えられます。蓄えられた脂肪は、糖質が補充されなかった際にエネルギー源として燃焼されます。

この機能は、糖質が手に入りにくいときの重要な生存戦略なのですが、糖質が飽和した現代では、肥満の原因のひとつとして問題となってしまっています。

下図:江部康二監修『糖質制限の大百科』洋泉社 (2019)より作成

糖質少なめの食事に置き換え

減量のためには、現在の食生活で「置き換え」が必要!

糖質が多い食生活をしていると、野菜など減量に効果のあるとされている食物を食べても、結果的に栄養過多の状態となってしまい、体重が増えてしまう可能性があります。摂取する糖質の量を減らすことで減量を期待するためには、糖質の多い食物を置き換えるという工夫が必要です。

糖質を野菜や肉に置き換えてみよう

毎日のご飯やパンの量を半分にし、野菜や肉に置き換えてみましょう。食物繊維やタンパク質は、糖質とは異なり、脂肪には変換されないからです。

タンパク質は筋肉量の増加に必要な栄養素でもあるので、運動機能の回復にも重要な役割を果たします。筋肉が増えると代謝の量も大きくなるため、痩せやすいからだに近づくことも期待できます。

今よりひざに負担がかかることがないように、少しずつでも糖質を抑えた食生活を実践してみましょう。

しかし、糖尿病や腎障害などの基礎疾患をお持ちの方は、自己判断で糖質を控えた食生活に切り替える前に、主治医に相談することをおすすめします。

下図:江部康二監修『糖質制限の大百科』洋泉社 (2019)より作成

管理栄養士&料理家である渥美まゆ美さんに、糖質を抑えたオリジナルメニューを考案頂きました!